今日のDuck4ブログのテーマは、
また1月30日に新しく伸びてきた羽から出血した
オオハクチョウさんのアドちゃんのお話です。
はじめに
2015年3月中旬から、アドちゃんと名付けたオオハクチョウさんが滞在組にはいます。当時は灰色の羽に覆われたまだ幼鳥のアドちゃん。羽を大ケガして飛べなくなりました。おそらく、高圧電線に衝突した時のケガだと思われます。その大ケガの後遺症で、骨折した部位から羽が伸びる度に途中で折れ、そこから出血を繰り返しています。
アドちゃんの記録を長く取っていると、7月下旬ごろの換羽の頃。そして、12月~1月のごろの年2回。この頃に新しく伸びた羽から出血することを毎年のように繰り返されてきました。
そのアドちゃんの出血の原因は、複雑骨折の後遺症。風切羽が曲がってしまい、換羽で伸びると折れてしまい、そこから出血することが考えられます。
今日のDuck4ブログでは、前回紹介した大晦日の時の出血。1月30日また羽が折れて出血してしまったオオハクチョウのアドちゃんのお話しです。
大晦日の後。1月30日にもアドちゃんは、
新しい羽が折れて出血してしまったよ!
アドちゃんのケガの後遺症
換羽のタイミングでの出血
2015年から、アドちゃんの換羽のタイミングを他の滞在組のハクチョウさんとともに、Duck4は観察してきました。そのアドちゃんの換羽のタイミングは、7月中旬から下旬であることが6回の調査でわかりました。
換羽のプロセスは、新しく羽が伸びてくる段階で、羽弁が広がる前に筆毛(pin feather)が現れます。そこには、血液も流れています。そして、伸びてきた羽が突然折れると、その血が通っている新しく伸びつつある羽軸から出血をしてしまいます。
アドちゃんの場合は、ケガの後遺症で羽が曲がってしまっているので、新しく伸びてきてもすぐに折れてしまいます。その折れたところから出血が起こってしまうのです。その出血がよく起こるのが、換羽の時の7月下旬ごろ。それと換羽終了後から5か月から6か月後の12月から1月ごろに、よく起こります。
新しい羽軸に血液が流れていて、
羽が折れるとアドちゃんは出血するようです。
今シーズンも大晦日に折れた羽から出血したアドちゃん
今シーズンもアドちゃんは、12月31日の大晦日。新しく伸びてきた後遺症で曲がってしまっている羽が折れ、出血してしまいました。5年以上観察していると、ほぼ同じ時季に起きていることがわかりました。そして、折れた羽が出血して羽毛に付着します。その血が付着した羽毛を1日~2日ほどでアドちゃんは羽繕いをしてキレイにしています。
1月下旬にも羽から出血したアドちゃん
出血した当日は「キャン!」と鳴き機嫌が悪いアドちゃん
1月30日。またアドちゃんは骨折していた部位から羽が伸びてきて出血。その数日前から、折れた羽の部位から、また新しい羽が長く伸びてきたので、もしやと思っていた矢先のことでした。
案の定。折れてアドちゃんは出血していました。早朝。行ったときには、浅瀬にぢべた座りをして、血が付着した羽毛をクチバシを使って、アドちゃんは羽のお手入れをしていました。Duck4がアドちゃんに近づくと、「キャン!キャン!」と鳴きました。この「キャン!」の声は、とても嫌がっているときに発するアドちゃんの感情表現の一つ。出血したことで、キモチがイライラしていた様子が、Duck4にもすぐわかりました。
(折れて出血した当日のアドちゃん)
羽が折れてしまい出血してしまうと、
やはり辛くてアドちゃんは、
機嫌が悪くなってしまいます!
出血2日後にも一生懸命に羽繕いするアドちゃん
新しい羽が折れた羽毛に止血痕が付着したアドちゃん。出血した前日よりは、幾分、元気になっていました。2日目になり、骨折した羽に隠れている羽毛には、まだ血の痕が残っていたようです。一日経ったことで、出血した当初の赤い血も茶色っぽく変色して羽毛についていました。
いつもならば、Duck4が、「アド!アドちゃん!」とそばで名前を呼ぶと、機嫌が良い時のアドちゃんだったら、「ク!ク!」と返答してくれます。しかし、2日経ってもまだ声はありませんでした。なので、6割程度の回復状態だったのかもしれません。
この後、下流の浅瀬へとアドちゃんは移動していきました。滞在組のハクチョウさんたちから離れて泳いで行ったアドちゃん。唯一残されている浅瀬で、羽毛に付着していた止血痕をクチバシを使って入念に羽繕いを続けていました。
(翌日、新しく伸びた羽が折れかかっているアドちゃん)
出血後。
止血痕が付着した羽毛の羽繕いをして、
キレイにすることにアドちゃんは専念するんだよ!
出血3日後のアドちゃん
骨折した部位から伸びた新しい羽が折れかかっていて、まもなく折れるところでした。新しく骨折した長く伸び切った羽も短くなり、もうアドちゃんの体からは、まもなく抜け落ちそうでした。ただ、骨折した羽の部位の下の羽毛は、まだ茶色っぽく変色していました。
(出血3日後のアドちゃん)
まとめ
最初、何もわからなかった時。羽から出血した様子を見たときには、「アドちゃんは動物に襲われたのか!?」とDuck4は思いました。しかし、それは違っていました。
なぜ、動物説でないことに気づいたのは、毎年、ほぼ同じ時季のタイミングでアドちゃんは羽の出血を繰り返されていたからでした。
折れた羽が再生しようという力が働き、事故の後遺症で根元が曲がってしまっているので、どうしてもまっすぐに伸びずアドちゃんの新しい羽は折れてしまうことに気づきました。満6歳になったアドちゃんが、繰り返すように骨折した羽の部位から伸びては折れ、また伸びては折れを繰り返してきたのはその理由があったからです。
これはいつもDuck4が思っていることなのですが、持病がありながらも不死鳥のように蘇ってきたアドちゃん。ただ心配は、出血した後に、化膿したりしないかということです。もし、そのような症状が起きて治療が必要になったとしても、アドちゃんを捕獲することはとても困難なのです。なので、「すぐ元気になれよ!」と見守るしかないDuck4であります。
新しい羽が伸びても折れてしまうのは大変だけど、
上手く付き合って生きていこうと思っているよ!
(Duck4のHPを参考にしてリライトした記事)
『大晦日から新年のアドちゃん』
(HP『ヒュッゲなハクチョウさんプロジェクト』2021年1月1日)
『鼻が凍るチンさん&羽が折れ出血したアドちゃん!』
(HP『ヒュッゲなハクチョウさんプロジェクト』2021年1月30日)
(HP『ヒュッゲなハクチョウさんプロジェクト』2021年1月31日)
(Duck4ブログをリライトした記事)
(Duck4ブログ2021年1月3日)
コメント
しかし、duck4さんは怪我の原因だけでなく怪我のサイクルまでよく把握されましたね!
これは凄い!お見事としか言葉がみつかりません!
その分析がアドちゃんの気持ちを軽くする時が必ずあると思いますよ!
ういさんへ
こんばんは!
アドちゃんの出血のサイクルには、折れた羽がまた再生することがあるようですね!
複雑骨折の影響で羽が曲がってしまっていることも、また、一つの要因になっていると思われます!
アドちゃんの心境を知るのに、とても役に立っています!🦢🦆