「親離れした『成鳥したハクチョウの子どもたち』は、二度と親鳥のところに戻って行動をしませんか」。今日のブログのテーマです。
はじめに
ハクチョウさんの親子関係で、「親離れした『成鳥した子どもたち』は、もう二度と親鳥との行動をしませんか」。皆さんは、この答えが、「正しい」と思いますか。それとも「誤り」と思いますか。
結論を先に言うと、絶対、「親離れした成鳥した子どもたち」が、もう二度と一緒に親鳥と行動しなくなるとは、必ず言えないようです。なので、答えは「誤り」。「親離れをした成鳥した子どもたち」が、親鳥と一緒に行動することは、「まれ」にではあるようなのです。
2013年からクチバシ模様から個体識別して追跡調査を行っているオオハクチョウさん一家がいます。その一家とは、毎年のようにここで越冬している「オオハクチョウのスミス夫妻」です。
2020年シーズンには、オオハクチョウのスミスさん夫妻は、1羽の幼鳥と飛来。その後、「2羽の成鳥した子どもたち」が合流して、5羽でこのDuck4の定点ポイントで冬を越したのでした。
また、2021年シーズン(2021-22年)にも、オオハクチョウのスミスさん夫妻のみで飛来したものの、その後、「2羽の成鳥した子どもたち」が合流して4羽でいます。その成鳥した子どもたちが当時満2歳のあいちゃんと当時満1歳になったエリザベスちゃんでした。
そして、今シーズン(2022年-23年)には、スミスさん夫妻は、1羽の幼鳥のドゥちゃんを連れて戻ってDuck4の定点ポイントに戻って来てくれたのでした。
それから、昨シーズン一緒に行動していた満3歳あいちゃん、満2歳エリザベスちゃんも、無事にDuck4の定点ポイントにやって来てスミスさん一家の前に現れました。
本日のDuck4ブログでは、「オオハクチョウのスミスさん一家の親離れたした成鳥になった子どもたちが、また実家に戻り越冬地で過ごしている」お話。
今シーズン(2022年ー23年)。満3歳になったあいちゃん、満2歳になったエリザベスちゃんに成鳥した2羽とスミスさん夫妻との関係について合わせてお話をします。
この答えは、まれにではありますが、成鳥した子どものハクチョウさんが親鳥と一緒に行動するので、「誤り」が正解になるお話をします。
オオハクチョウのスミスさん一家の追跡調査
12羽幼鳥を連れて来ているスミスさん夫妻の功績
毎年のように越冬しているオオハクチョウさんの「スミスさん夫妻」を知ったのは、2013年シーズンからでした。その年には、5羽の幼鳥を連れていて、周りにも数羽の成鳥を連れて泳ぎ回っていました。また、体の大きなスミスお父さんのクチバシは、特徴的な黒い斑点があったので、個体識別も容易ですぐに見分けがつきました。
それからも、2015年(2羽)。2019年(3羽)。2020年(1羽)。2022年(1羽)の幼鳥が生まれ越冬しています。
成鳥したあいちゃん(満3歳)とエリザベスちゃん(満2歳)
ちなみに、満3歳になったあいちゃんは、2019年に生まれた3羽のうちの1羽です。満2歳になったエリザベスちゃんは、2020年に生まれたスミスさんの子どもになります。
そして、Duck4が知る限り、今まで12羽の子どもたちを越冬地へと連れて来ています。
幼鳥1羽と成鳥2羽で越冬【2020年シーズン】
スミスさん夫妻と幼鳥1羽【11月中旬に初飛来】
2020年11月10日。オオハクチョウのスミスさん夫妻は、1羽の幼鳥を連れてこのシーズンには初認。地元のヒトの話によると、「夕方に前日に見たよ!」という証言もあったことから、9日夕方には来ていたのかもしれません。
もう1羽の成鳥の子どもが遅れて合流【11月中旬】
2020年11月19日には、1羽の成鳥のオオハクチョウさんがスミスさん夫妻と幼鳥にくっついて行動するようになりました。クチバシからの個体識別より、スミスお父さんの黒い模様と似ていることから、昨シーズン3羽生まれたうちの1羽幼鳥が成鳥になったのではないかと考えております。この日には、飛来数が若干増えていることことから、スミスさん一家から遅れて他の群れに混じってやって来たのかもしれません。
またもう1羽の成鳥の子どもが合流【12月上旬】
2020年12月9日にも、もう1羽の成鳥が合流。それから、北帰行でここを離れる2021年3月22日までスミスさん一家は5羽で行動していました。
非常にクチバシが似ている5羽の親子
ところで、5羽で泳いでいるのはスミスさん一家です。先頭を泳いでいるクチバシに複数の黒い斑点があるのが一家の「ポールお父さん」。
2番目を泳いでいるふっくらしているものの背が低いのが「マーガレットお母さん」。
3番目を泳いでいる生え際とクチバシの両側に黒い2本線があるのが、2021年シーズンにも一緒いる成鳥した子どもの「あいちゃん」です。
4番目を泳いでいる幼鳥は、体の大きさとクチバシの模様がお母さんに似ているので、子どもの「エリザベスちゃん」ではないかと考えております。
5番目を泳いでいる成鳥した子どもは、今シーズンは一緒にいるところを目撃していないので、おそらく来ていないのかもしれません。
(2020年シーズンのスミスさん一家)
2019年に生まれたと思われるオオハクチョウの「あいちゃん」は、クチバシに黒い斑点が同じところに多くあるので、お父さんに似ているわ!
2020年生まれの幼鳥「エリザベスちゃん」は、クチバシと羽毛の生え際が若干V字っぽくなっているので「お母さん」に似ていると思うぞ!
成鳥2羽と一緒のスミスさん一家【2021年シーズン】
夫婦のみで初飛来【10月下旬】
2021年10月31日夕方。オオハクチョウのスミスさん夫妻のみでいるところ初認しております。
成鳥したスミスさんの子ども「エリザベスちゃん」合流【11月上旬】
それから遅れること9日の11月8日には、スミスさん夫妻にくっついて泳いでいる成鳥がいました。その日からずっとその成鳥は一緒に行動するようになったのでした。
おそらく、昨シーズン生まれて幼鳥だった満1歳になった「エリザベスちゃん」ではないかと考えております。
スミスお母さんよりも体が大きくて、スミスお父さんよりも体が小さいこと。口元の黒い模様が幼鳥の時とほぼ同じ。またクチバシと生え際の切れ込みがV字であることから、Duck4はそう考えております。
満1歳になった「エリザベスちゃん」は生え際はわたし。多少の黒い斑点があるのは、お父さんに似ているわ!
2年連続一緒に越冬する成鳥した子ども「あいちゃん」合流【12月下旬】
12月27日には、もう1羽の成鳥したクチバシの生え際に黒い斑点があるスミスお父さん似の「あいちゃん」も合流しています。
また、地元の方からは、クリスマスに「あいちゃん」が合流していたとの目撃情報もありました。
この頃から、寒波が到来してきて飛来数が急激に増えてきたときだったので、その群れに混じって満2歳になった「あいちゃん」は、親鳥が越冬しているであろうここにやって来たのかもしれません。
満2歳の「あいちゃん」は、わしに似ているな!あのクチバシにはたくさんの黒い斑点があるぞ!また、他の飛来組を追い払ったり攻撃するのは、わし譲りの性格だな!
幼鳥のドゥちゃんを連れて戻るスミスさん一家【2022年シーズン】
3羽で戻って来たスミスさん一家
2022年11月3日朝。スミスさん一家のお父さんポールさん。マーガレットお母さん。そこには1羽の幼鳥を連れて泳いでいました。
ポールお父さんが随分、やつれていたので、別人のようにも見えました。ただクチバシの黒い模様で、長旅で痩せこけていたポールお父さんだとすぐにわかりました。それは、マーガレットお母さんのクチバシの黒いところの一部に、黄色の斑点模様があったことも、スミスさん一家だと確信できたからでした。
そして、今年生まれた幼鳥にドゥちゃんと名付けて、スミスさん一家の観察を始めることにしました。
満3歳あいちゃんも戻る
12月上旬に戻っていたあいちゃん
「あいちゃんが戻って来たよ!」とスミスさん一家のあいちゃんファンの白鳥さんをこよなく愛する地元のから教えていただいたのは、2022年12月11日のことでした。
この「あいちゃん」ですが、スミスさん夫婦の子どもです。2019年生まれの3兄弟のうちの1羽が「あいちゃん」なのです。その他の兄弟は、まいちゃん、みいちゃんがいますが、この数年は戻って来ていないようです。
ところで、白鳥さんをこよなく愛する地元は、12月10日夕方に初認されたそうです。なので、あいちゃんは、12月10日に戻ってきたようです。昨シーズンは、12月25日だったので、2週間ほど早い帰還でした。
そして、Duck4が行ったときには、あいちゃんは、スミスさん一家の周りを泳いでいました。
兄弟不仲なあいちゃん
すると、あいちゃんは、今年生まれのスミスさん夫妻の幼鳥「ドゥちゃん」に突っつかれたそうです。いや、同じ兄弟なので、ドゥちゃんの兄もしくは姉いや体の大きさから「あいちゃん」は兄だと思われます。
そんな年上の兄いや姉かもしれませんが、弟もしくは妹かもしれないドゥちゃんが、兄弟ケンカで勝つとは。2020年シーズンにまだ幼鳥だったエリザベスちゃんといつも兄弟ナカヨシでいた時とは全く違っていました。
新しいパートナーを見つけているようなあいちゃん
昨日の夕方(2022年12月24日夕方)。スミスさん一家の成鳥した満3歳になったあいちゃんに会いました。あいちゃんのそばには、もう1羽いるのですが、あいちゃんのパートナーでしょうか。
ここには、スミスさん一家もいたのですが、あまりポールお父さんもあいちゃんのところを、意識していないようにも見えました。
3年目にしてあいちゃんは、実家から独り立ちしたようです。
戻る満2歳になったエリザベスちゃん
昨日の夕方。「スミスさん一家の成鳥したこども。エリザベスちゃんがいるよ!」と白鳥さんをこよなく愛する地元の方から教えてもらいました。
昨シーズンは、あいちゃんとともにエリザベスちゃんもスミスさん一家と一緒にここで越冬しました。
しかし、今シーズンのエリザベスちゃんは、別行動のようです。またお兄さんいやお姉さんかもしれませんがあいちゃんとも一緒にいることはありません。
エリザベスちゃんも、実家から独り立ちしたようです。
まとめ
一度、親離れした子どものハクチョウさんたちも、実家に戻ることがあるのか。
そして、親鳥と同じ越冬地で再会してから、春の渡りのためにここを離れるまで一緒にいるのか。
それは、2020年シーズンと2021年シーズンのスミスさん一家の成鳥した子どもたちの「あいちゃん」「エリザベスちゃん」が、まるで実家に戻るかのように親子水入らずでいる姿をDuck4は目撃していました。
なので、ハクチョウさん親子関係でも「親離れした子どもたちが、また越冬地で親鳥との行動することはまれにはある」ということが、スミスさん一家を2013年から追跡していてDuck4はわかったことでした。
そのスミスさん一家も、2020年シーズンの「秋の渡り」では、幼鳥1羽の飛来。
しかし、その後を追いかけるように成鳥した2羽の子どもたちと再会して合流。それから「春の渡り」では、Duck4の定点ポイントを離れるまで、ずっと、幼鳥1羽のエリザベスちゃん。実家に戻って来た成鳥した子どもたち2羽(うち1羽は「あいちゃん」)。夫婦の5羽で過ごしました。
おそらく、2020年シーズンの「春の渡り」北帰行の旅の途中。スミスさん夫妻が繁殖地に着くまでには、成鳥した子どもたち2羽(うち1羽は「あいちゃん」)、幼鳥の「エリザベスちゃん」も実家を離れるのかもしれません。
昨シーズン(2021年-22年)。スミスさん夫妻は、成鳥したお父さん似の満2歳になった「あいちゃん」。満1歳になった「エリザベスちゃん」が合流。大きく成鳥した2羽の子どもたちは、実家に戻ってスミスお父さんとお母さんと共に、冬を越したのでした。
しかし、今シーズン(2022年-23年)は、違っていました。
スミスさん夫妻が越冬しているDuck4の定点ポイントには、満3歳になったあいちゃん。満2歳になったエリザベスちゃんも、戻って来ました。
けれども、あいちゃん、エリザベスちゃんは、スミスさん一家にくっついて一緒に行動をしていません。
戻って来たばかり時。あいちゃんなんかは、2022年に生まれたあいちゃんにとっては弟、いや妹かもしれませんが幼鳥のドゥちゃんに突っつかれてしまいました。そんな兄弟ケンカをポールお父さんは見て見ぬふりでした。
そんな、あいちゃんには、いつも一緒にいるパートナーらしきオオハクチョウさんの存在もありました。
スミスさん一家の子どもたち。満3歳あいちゃんや満2歳になったエリザベスちゃんも、ポールお父さんとマーガレットお母さんから独立して、それぞれの人生を歩み始めたようです。
オオハクチョウのスミスさん一家を見ていてわかったことは、親離れした子どもたちが次の「秋の渡り」で越冬地に戻って来たときに、成鳥した子どもたちが親鳥と合流して一緒に過ごすことがわかりました。
プロフィール
2013年からほぼ毎年越冬。一家の善きお父さんオオハクチョウ。食いしん坊でケンカが強いものの子煩悩の一面もあります。
2013年からほぼ毎年越冬。一家の善きお母さんオオハクチョウ。子どもたち12羽を連れて来ているグレートマザー。
年齢3歳(2019年生まれ)「あいちゃん」は、お父さん似の性格でちょっとケンカ好き。でもお父さんには頭が上がらない仔。今年で3年一緒に越冬地で行動しています。しかし、2022年シーズンは独り立ち。新しいパートナーが見つかってようです。
年齢0歳(2022年生まれ)ドゥちゃん。あいちゃんやエリザベスちゃんにとっての弟もしくは妹です。あいちゃんが実家に戻って来たとき、ドゥちゃんは兄を追い払いました。ドゥちゃんは、他の飛来組にケンカを挑むこともありますが、ポールお父さんには頭が上がらないようです。
【2022年シーズン】満3歳のあいちゃんと満2歳のエリザベスちゃんは、スミスさん一家と同じ越冬地に暮らしています。しかし、2羽ともにスミスさん一家からは完全に独り立ちしたように見えますね。
2022年2月9日投稿した記事をリライトしました。
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