
今シーズンの春の渡りは遅れていました。3月16日朝には135羽のハクチョウさんたちが残っていました。夜に起きた大きな地震の翌朝。いっきに79羽まで減ってしまったお話をします。
はじめに
例年だと、2月下旬になるとハクチョウさんの越冬数も100羽を切っても、おかしくありません。しかし、今シーズンは、3月中旬になっても、まだ100羽以上のハクチョウさんたちがDuck4の定点ポイントに居残っていました。例年にはないことです。
しかし、3月16日午後11時36分頃。福島沖を震源にするM7.4の大きな地震が起きました。あとで定点ポイント付近にお住まいの方から聞いたお話ですが、「ハクチョウさんたちは大きな奇声を上げて飛び回っていたよ!」と教えていただきました。それは、1年前にあった大きな地震の直後も、大きな奇声を上げていたハクチョウさんの鳴き声が聞こえていました。
翌17日未明には、津波注意報の警報もなく、Duck4の定点ポイントは静かになりました。いつものように調査のために行くと、昨日までいたはずのコハクチョウさんの群れはいなくなってしまい、ここでずっと越冬していた飛来組オオハクチョウさんの群れのみが残っていました。それは、1年前にあったあの大きな地震の時も同じことが起きました。
さて、今日のDuck4ブログでは、今シーズン2022年3月中旬(3月11日~20日)までの飛来数。幼鳥率。昨シーズン2021年3月中旬(3月11日~20日)までの飛来数。幼鳥率の比較。また、数日ほど積雪を記録したDuck4の定点ポイントとしている仙台の積雪。宮城県大崎市古川の積雪。岩手県のハクチョウさんの越冬地になっている北上市の積雪を比較。また、昨年も同規模の地震が起き、翌朝にはハクチョウさんたちの数が減っていたお話したいと思います。

地元のヒトの証言によると、あの大きな地震の後。大きな声をあげてハクチョウさんたちは飛び回っていたそうです。
ハクチョウさんの越冬数の調査
大きな地震のあと100羽を切った飛来数【2022年3月中旬】
「青い折れ線グラフ」は今シーズン2022年3月中旬の日々の飛来数になります。例年だと、もう100羽を切ってもおかしくないはず。今シーズンは、3月16日まで100羽以上のハクチョウさんたちが居残っていました。
しかし、2022年3月16日午後11時36分。福島沖を震源にするマグニチュード7.4の大きな地震が発生。翌朝の調査では、100羽を切り79羽まで減っていました。下流部にいたコハクチョウさんの群れが姿を消してしまっていました。
地震後もまだ、越冬していた飛来組オオハクチョウさんたちが、例年よりも多く居残っていました。

16日夜に起きた大きな地震のあと。コハクチョウさんの群れは飛び去っていなくなり、ここでずっと越冬していた飛来組のハクチョウさんたちは60羽以上も残っているよ!
一部の越冬していた飛来組が残る【2021年3月中旬】
「赤い折れ線グラフ」は、昨シーズン2021年3月中旬の日ごとの飛来数になります。残っている数も30羽台まで減っていました。そして3月20日には15羽になりほとんどのハクチョウさんたちは春の渡りで離れて行っています。

幼鳥率
20%~30%の幼鳥率を維持【2022年3月中旬】
「青い折れ線グラフ」は今シーズン2022年3月中旬の日々の幼鳥率になります。幼鳥率はとても高く20%~30%台で推移しました。
今シーズンは、6羽の幼鳥を連れたオオハクチョウさん一家。5羽の幼鳥を連れたオオハクチョウさん一家。他にも幼鳥を連れたオオハクチョウさん一家がずっと越冬していたことで高くなっていました。

今シーズンは幼鳥の数はすごく多いよ!
幼鳥率が20~30%で推移しているよ!
立ち寄り組が来て幼鳥率が高くなった【2021年3月中旬】
「赤い折れ線グラフ」は昨シーズン2021年3月中旬の日々の幼鳥率になります。昨シーズンの1月~2月にかけて幼鳥率が10%以下という日も多くありました。
しかし、3月上旬になってから幼鳥率が10%以上になり、3月中旬になると幼鳥率が20%を超えるようになりました。おそらく、立ち寄り組が幼鳥をたくさん連れてきたことが影響していると思います。

昨シーズンは、3月中旬になり幼鳥率が20%を超えるようになったよ!
立ち寄り組のハクチョウさんたちの中にたくさん幼鳥がいたからだよ!

積雪量
昨シーズンは全くなかったので、今シーズンのみを掲載することにします。3月18日、19日にDuck4の定点ポイントの仙台でも積雪を記録しました。なので、雪の影響は受けていないと思われます。

まとめ
例年よりもかなり遅い時季の3月中旬までハクチョウさんの飛来数が100羽以上いました。
しかし、2022年3月16日午後11時36分に起きた福島県沖を震源にするM7.4の地震が発生。その後、「ハクチョウさんたちが大きな声をあげて上空を飛び回っていたよ!」という証言を聞きました。
翌朝の調査では、いっきに50羽ほど減っていました。その多くはコハクチョウさんの群れでした。
ところで、昨シーズンにも大きな地震が発生。その時は、大きな声をあげているハクチョウさんたちの声をDuck4も耳にしていました。2年連続でここで越冬していたハクチョウさんたちは、大きな地震に驚いたに違いありません。
しかし、その後もここでずっと越冬していた個体識別可能なスミスさん一家。片方の水かきがないキリちゃん&パートナー。6羽の幼鳥を連れたブライスさん一家。5羽の幼鳥を連れたオオハクチョウさん一家のカスバートさん一家も残ってくれました。
大きな地震もありましたが、今シーズンに限ってみれば、春の渡りは若干遅れているのかもしれません。

2年連続で大きな地震を経験したなあ!

大きな地震は怖かったわ!
そのあとコハクチョウさんの群れが急遽、
飛び立っていたようだわ!
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