今シーズンは冬が寒かったのに早くハクチョウさんたちが「春の渡り」のために定点ポイントを離れて行ったお話をします!
はじめに
個体識別をしていたオオハクチョウの「スミスさん一家」(お父さんのポールさん、お母さんのマーガレットさん、成鳥した子どものあいちゃん、エリザベスちゃん)。片方の水かきがないオオハクチョウさんの「キリちゃん」も、3月下旬にはDuck4の定点ポイントを「春の渡り」のために離れて行きました。
これはフィールド調査をしていてわかったことなのですが、スミスさん一家の2羽の成鳥した子どもたちの「あいちゃん」「エリザベスちゃん」。片方の水かきがないオオハクチョウの「キリちゃん」は、3月23日早朝には、いませんでした。ちょうど数えているときに、14羽のハクチョウさんが飛び立った群れの中に、その3羽がいたようです。
一方、「スミスさん夫妻」のお父さんのポールさんとお母さんのマーガレットさんは、子どもたちと一緒には行かなかったのですが、3月29日朝まではいたことを確認。翌30日朝には2羽減っていてスミスさん夫妻の姿だけありませんでした。おそらく、29日朝~30日朝の間に、春の渡りのためにDuck4の定点ポイントを離れて行ったようです。
さて、今日のDuck4ブログでは、今シーズン2022年3月下旬(3月21日~31日)までの飛来数。幼鳥率。昨シーズン2021年3月下旬(3月21日~31日)までの飛来数。幼鳥率の比較。
また、スミスさんの子どもたちとキリちゃんが春の渡りのために離れて行った3月23日の気象台が発表している気象データ。スミスさん夫妻が春の渡りのためにDuck4の定点ポイントを離れていたであろう3月29日~30日までの気象データ。特に、風向きを見ることで、風向きと春の渡りの開始日について考えてみたいと思います。
越冬数の比較
寒かった冬なのに早く減った2022年3月下旬
「青い折れ線グラフ」は、2022年3月下旬(3月21日~31日)までの日別の飛来数になります。今シーズンは、昨シーズンよりもかなり多くのハクチョウさんが飛来し越冬していましたが、3月下旬になると今シーズンの方が留まっているハクチョウさんが少なくなっています。
今シーズン(3月31日)には、2羽の飛来組ハクチョウさんしか残っていなかったね!
暖かかった冬なのにまだ残っていた2021年3月下旬
「赤い折れ線グラフ」は、2021年3月下旬(3月21日~31日)までの日別の飛来数になります。昨シーズンの方が、今シーズンよりも3月下旬になっても多くのハクチョウさんたちが留まっていたようです。
昨シーズンは、まだ多くのハクチョウさんたちがいたようだね!
幼鳥率の比較
最終日には幼鳥がいなくなった2022年3月下旬
「青い折れ線グラフ」は、2022年3月下旬(3月21日~31日)までの日別の幼鳥率になります。3月21日~30日まで、36%~22%台で推移。しかし、31日には、幼鳥が1羽も春の渡りのためにDuck4の定点ポイントを離れゼロになりました。昨シーズンよりも早く、幼鳥のハクチョウさんたちは離れて行きました。
今シーズンはあんなに幼鳥が多かったのに、3月31日には幼鳥ハクチョウさんがゼロになったね!
幼鳥が多く残った2021年3月下旬
「赤い折れ線グラフ」は、2021年3月下旬(3月21日~31日)までの日別の幼鳥率になります。ところで、昨シーズン(2020年10月~2021年4月)は、幼鳥率が10%を切る日もありました。しかし、3月下旬になると、幼鳥率が30%を超える日もあったんでした。Duck4の定点ポイントに立ち寄り組が立ち寄ったときに、幼鳥が多くなったこと。迷子ちゃんの群れもあったことも影響していました。
昨シーズンは立ち寄りの幼鳥ハクチョウさんたちが3月下旬なのに多くいたね!
春の渡りのタイミングと風向き
春の渡りをするのはどんなタイミングなのか。個体識別ができていた「スミスさん一家」(お父さんのポールさん、お母さんのマーガレットさん、成長した子どもたちのあいちゃんとマーガレットちゃん)。片方の水かきがない「キリちゃん」の春の渡りのためにDuck4の定点ポイントの「天気」と「風向き」を見てみたいと思います。
スミスさんの子どもたち、キリちゃんが飛び立った3月23日早朝
スミスさんの成鳥した子どもたちの「あいちゃん」と「エリザベスちゃん」。「キリちゃん」と「キリちゃんのパートナー」。他10羽のハクチョウさんたちが一斉にDuck4の定点ポイントを離れたのは、午前6時頃でした。その時の天気は快晴。仙台管区気象台の過去のデータの風向きによると、西北西の風。風速1.7メートルでした。その時に定点ポイントにいたときのDuck4の体感は、無風に近かったようにも感じております。
(片方の水かきがないキリちゃん🦢)
我々の子どもたち。あいちゃん、エリザベスちゃんは秋の渡りでは別々に合流したけど、春の渡りでは、兄弟一緒だったなあ!
私たちの子どもたちと一緒に、春の渡りをしなかったわね!
スミスさん夫妻が飛び立ったであろう3月29日~30日朝までの天気
「スミスさん夫妻」は、いつ飛び立ったのかはわかりません。3月29日朝には、まだいました。そして、翌朝30日朝6時に確認したところ、昨日まで残っていた中でスミスさん夫妻だけの姿はありませんでした。
ちなみに、3月29日の風向きですが、仙台管区気象台のデータによると、午前7時ごろから南風が吹きました。午後1時~3時かけて風速5メートル以上の強い南南東の風が吹いていました。翌30日朝6時頃は、天気が快晴。北北西の風3.6メートルの風を記録していました。
スミスさん夫妻も例年よりも遅れて春の渡りのためにここを離れたね!
まとめ
今シーズンの方が昨シーズンよりも寒い日が多かったのですが、「春の渡り」に関しては、今シーズンの方が早くハクチョウさんの数が少なくなっています。また、幼鳥率も、今シーズンの方が記録的に高い数になっていましたが、3月下旬の調査日の最終日には幼鳥がゼロになっていました。昨シーズンは、3月下旬になっても多くの幼鳥ハクチョウさんたちがいて、これらは立ち寄り組のハクチョウさんたちだったようです。
個体識別できていたスミスさん一家。片方の水かきがないオオハクチョウのキリちゃんたちの「春の渡り」のタイミングはどうだったのか。スミスさんの成鳥した子どもたちの「あいちゃん」「エリザベスちゃん」、片方の水かきがない「キリちゃん」は、偶然にも同じ3月23日朝にDuck4の定点ポイントを離れています。その時の仙台管区気象台の過去のデータによると、天気は快晴、西北西の風。風速1.7メートルでした。風が強く吹いていなかったことから、飛び立って行ったのかもしれません。
一方、スミスさん夫妻はいつDuck4の定点ポイントを離れて行ったのかはわかりませんでした。最後に確認した朝以降、南風が吹いていたようです。そして、午後には、かなり強い南風が吹いていました。翌30日朝には北風になっていました。一体、どんなタイミングで行ったのでしょうか。
今シーズンは、冬が寒かったのに春の渡りが早くなったようです。
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