親鳥と、はぐれてしまった幼鳥の迷子ちゃん。そんな迷子ちゃんたちも満1歳になれた2羽オオハクチョウさんのお話です!🦢
はじめに
渡りの途中。親鳥とはぐれてしまった幼鳥オオハクチョウの迷子ちゃん。そんな迷子ちゃんたちが、親鳥と離れ離れになっても、独りでも生きることができると思いますか。
結論を先に言うと、ケースバイケースですが、Yesだと思います。
親鳥とはぐれて迷子になって独りぼっちになった幼鳥オオハクチョウさんでも、満1歳になっても生きている成鳥した迷子ちゃんは、Duck4は何度か見てきました。
そして、渡りの途中の越冬地で親とはぐれた幼鳥の迷子になっても生きていける条件とは、何か。その条件は2つあると、Duck4は考えております。
一つは、成鳥の群れに混じって行動すること。
もう一つが、人に近づけることです。
本日のDuck4ブログでは、渡りの途中で幼鳥で迷子ちゃんになったオオハクチョウさん。その迷子ちゃんになった2羽のオオハクチョウさん。羽をケガしてここに居残って満1歳になったムーアちゃん。もう1羽は、このDuck4の定点ポイントで迷子ちゃんになって、またこの冬に戻って来た満1歳になったカーブちゃんのお話をします。
幼鳥の迷子ちゃんになっても
生きていける2つの条件
Duck4の定点ポイントでは、毎年のように何らかの理由で親と離れ離れになった幼鳥の迷子ちゃんを見てきました。その幼鳥の迷子ちゃんが、ある条件をクリアさえすれば、生きていけるとDuck4は考えております。その条件とは下記の2つになります。
①幼鳥の迷子ちゃんが成鳥の群れに混じって一緒に行動すること。
②迷子ちゃんが人に近づけること。
この2つのうち、特に、①幼鳥の迷子ちゃんが成鳥の群れに混じって一緒に行動できれば、再び迷子の幼鳥の生まれた北帰行ができて繁殖地に戻ることができるからです。
そして、満1歳になって再び若鳥として越冬地に戻って来られることでしょう。
アドちゃんも羽をケガして親鳥とはぐれてしまったけど!それは、①成鳥の群れに混じって行動したこと②人に近づいたこと。この2つの条件をクリアできて、何とか生きられてよ!🦢
2羽の幼鳥の迷子ちゃん
Duck4の定点ポイントでは、2022年シーズンにも、2羽の幼鳥の迷子のオオハクチョウさんがいました。
そのうち1羽が、11月下旬に羽をケガして飛べなくなったオオハクチョウのムーアちゃん。
もう1羽は、飛翔可能で首が曲がっているオオハクチョウのカーブちゃんでした。
この2羽の迷子ちゃんとなった羽をケガしたムーアちゃんと首が曲がっているものの飛べことができたカーブちゃんは、幼鳥の時のここで越冬しました。
(幼鳥ムーアちゃんと幼鳥カーブちゃん🦢)
そして、飛ぶことができるオオハクチョウさんのカーブちゃんは、春の渡りのため飛来組オオハクチョウさんに連れられてここを飛び立って行ったのでした。
2023年シーズンになり、羽をケガしたムーアちゃんは満1歳になりました。また、首が曲がっている飛来組のオオハクチョウのカーブちゃんも、2024年1月にこのDuck4の定点ポイントに戻って来たのでした。
満1歳になれた羽をケガしたムーアちゃん
幼鳥のムーアちゃんですが、初めて見たのは2022年11月下旬でした。
その時には、すでに、右の初列風切羽の一部が折れていました。このケガの状態からすると、もう100%飛ぶことができない状態でした。
(幼鳥の時のムーアちゃん🦢)
シングルペアレントの後を追いかけて行動
2023年1月以降。
ムーアちゃんは、2羽の幼鳥を連れたシングルペアレント一家と一緒にいるところを目撃するようになりました。ムーアちゃんの方から、このシングルペアレント一家の後を追いかけているようにも見えます。
ムーアちゃんとこのシングルペアレント一家の2羽の子どもとは、クチバシの模様が似ていないこと。幼鳥の1羽がムーアちゃんをクチバシで突っついて追い払っていたところを何度も目撃。なので、羽をケガした迷子のムーアちゃんは、血のつながりのない家族の後を追いかけていただけだったのかもしれません。
周りのハクチョウさんにもまれながらも
ムーアちゃんですが、動きがとても機敏な幼鳥でした。同じ幼鳥の迷子のカーブちゃんや大人たちに突っつかれそうになると、振りきることもできました。
また、大きな声で「ク!コ!」と。幼鳥特有なボソボソした声でムーアちゃんは話しかけてきます。しっかりした性格の幼鳥だと思います。
ついに滞在組入り
すべての飛来組ハクチョウさんたちが、この越冬地を離れて行った後。幼鳥の、ムーアちゃんは、滞在組ハクチョウさんに合流して行動するようになりました。
そして、新参者で幼鳥のムーアちゃんですが、滞在組のハクチョウさんたちから突っつかれたり攻撃されたりもしました。
成鳥のアドちゃんよりも強くなる
しかし、2023年5月になった頃。
幼鳥の時にケガをしてまもなく満9歳になるアドちゃんよりも、幼鳥のムーアちゃんは強くなりました。
ムーアちゃんは、先輩オオハクチョウのアドちゃんよりも、滞在組の群れの中で順位をあげ5位になったのでした。
6月下旬に、ムーアちゃんは、古い灰色の風切り羽が抜けました。7月2日には、新しい羽が伸びてきたのを見つけました。換羽が始まりました。
ムーアちゃんは先輩のアドちゃんよりも強くなってしまったよ!🦢
満1歳ムーアちゃんはノンちゃんとべったり
満1歳になったムーアちゃん。滞在組に仲間入りして6羽の中で5番目にムーアちゃんは強くなりました。
そして、また秋の渡りで飛来組のハクチョウさんたちが、Duck4の定点ポイントに戻ってくると、満1歳のムーアちゃんは、滞在組の先輩ハクチョウさんのノンちゃんは、常に、一緒に行動するようになりました。
(満1歳になった11月下旬頃のムーアちゃん🦢)
飛来組を追い払うために、先輩のノンちゃんが「コォ!コォ!」とこもった大きな声で鳴きます。
すると、そのノンちゃんの声を聞いた満1歳のムーアちゃんは、「ク!コ!」と幼鳥上がりのまだ子供っぽい低音のボソボソした特有な声でムーアちゃんは鳴いて反応します。
満1歳のムーアちゃんは、ノンちゃんを信じて鳴き合っているように見えるのでした。
(ノンちゃんと羽を広げている満1歳ムーアちゃん🦢)
満1歳になって戻って来たカーブちゃん
首が曲がった飛べる幼鳥の迷子
幼鳥のカーブちゃんは、迷子のオオハクチョウさんです。初めて出会ったのが2022年11月下旬。その時には、親鳥とは一緒に行動していませんでした。
そんなカーブちゃんには、一つ大きな特徴があります。それは、首が曲がっていること。おそらく、何らかの理由で首が変形したのではないかと思われます。そして、首が曲がっている以外は、生きていく上では問題はなさそうに見えました。
(幼鳥のカーブちゃん🦢)
人慣れした幼鳥
このカーブちゃんは、Duck4の姿を見ると、飛んで来てくれるようになりました。Duck4が手を差し伸べると、カーブちゃんは甘噛みをしました。こんなに人慣れしている幼鳥オオハクチョウさんに出会ったのは、Duck4は初めての経験です。
カーブちゃんですが、好奇心が強くて、めげない性格のようです。
成鳥に突っつかれても、すぐ立ち直り、また近づいて来ます。開き直りが早いようです。
また、カーブちゃん自身、気づいているのかどうかわかりませんが、Duck4を利用して、他のハクチョウさんたちから攻撃を逃れる術も、心得ています。幼鳥のわりに賢い子なのです。
なので、独りぼっちで寂しそうに見えるカーブちゃんは、迷子になり独りになっても健気に逞しく生きていけているのでしょう。
そして、カーブちゃんは、片方の水かきがないキリちゃん、滞在組の一部の仔たちと群れを作って行動していることもあります。
群れの成鳥たちが威嚇のために大きな声をあげていると、カーブちゃんもマネしています。成鳥からいろいろ学ぼうとしているようです。
2024年1月7日夕方戻る
2024年1月7日夕方。1羽の首が曲がっているオオハクチョウさんが泳いでいるのを見つけました。そして、その成鳥のオオハクチョウさんは、Duck4のそばに立ちました。よく見ると、この首の曲がり方は、昨シーズン、ここで越冬していた幼鳥のカーブちゃんに瓜二つ。超似ていました。時折、大きな声で「ク!コ!」と鳴いていました。完全に、カーブちゃんだと確信しました。おそらく、「ク!コ!」とカーブちゃんはDuck4に「また、戻って来たよ!」と話しているようでした。10分ぐらいそばにいてくれたでしょうか。その後、昨シーズン、一緒に行動したこともあるノンちゃんとムーアちゃんのそばに。また、アドちゃんのそばにも行きました。カーブちゃんは、来たことを皆にお知らせして回っていたようです。
(満1歳のカーブちゃん🦢)
友達とハッピーリング
突然、カーブちゃんは、1羽の飛来のオオハクチョウさんを後ろから噛みついて攻撃していました。その後、他の1羽のオオハクチョウさんとハッピーリングをつくっていました。
昨日の夕方にも、カーブちゃんは、ハッピーリングをつくるのをDuck4は数回見ております。
また、こんなエピソードもありました。カーブちゃんとカーブちゃんの友達は今朝もまた一緒にいました。見ていると、本当にナカヨシ。他の飛来のオオハクチョウさんが来てカーブちゃんは攻撃してカーブちゃんは勝利すると、カーブちゃんとカーブちゃんの友達は一緒に「コォ!コォ!」と声をあげていました。(2月4日)
もしかしたら、カーブちゃんとカーブちゃんの友達は、ナカヨシなのかもしれません。
(ハッピーリングを作るカーブちゃん&カーブちゃんの友達🦢)
まとめ
親鳥とはぐれて迷子になって独りぼっちになった幼鳥オオハクチョウさんでも、満1歳になっても生きている成鳥した迷子ちゃんは、Duck4は過去にも見てきました。
それは2014年生まれのアドちゃん。2015年3月羽を大けがして飛べなくなってしまいました。その後、アドちゃんは、人にも慣れてくれて近づくようになりました。また、羽をケガしてDuck4の定点ポイントで生きていた滞在組ハクチョウさんの群れに仲間入りを果たしました。
なので、幼鳥で迷子になっても、ハクチョウさんは生きていると思っていました。
2022年に、幼鳥で迷子になった羽をケガしたムーアちゃんと飛べるものの首が曲がっているカーブちゃんは、他の幼鳥よりは早く親離れをしただけのこと。
そして、生きていける2つの条件。
①幼鳥の迷子ちゃんが成鳥の群れに混じって一緒に行動すること。
②迷子ちゃんが人に近づけること。
この2つの条件をクリアでき、ハクチョウさんの仲間から生きる知恵を学習できたので、ムーアちゃんやカーブちゃんは、満1歳まで生きてこられたと思っております。
2015年3月。羽をケガしたアドちゃんも幼鳥の迷子ちゃんになったんだけど、それから①成鳥の群れに仲間入り②人になれたこと。この2つの条件をクリアして今があるんだよね!🦢
きっと、羽をケガしたムーアちゃん。飛べるけど首が曲がっているカーブちゃんも2つの条件をクリアして今があるんだよね!🦢
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